「マイ・ビューティフル・ランドレット(1985)」。
単館系の映画だったが、
コインランドリーを背景にしたPOPなノリの作品。
これこそ当時のサイケな背景を表現した、最先端な”ブリット”野郎の疾走感が漂った高評価な作品だったことはよく覚えている。
その主演が、長い名前の”ダニエル・デイ=ルイス”だってこともね。
映画「マイ・ビューティフル・ランドレッド」
この作品こそ、
元はChannel 4のTV映画として制作されたものはずが試写では好評を得て、エディンバラ国際映画祭に出品したところ大反響を呼び、劇場公開されることになったという
”ダニエル・デイ=ルイスの出世作”じゃん!!
今や単なるアル中の負け犬にしか見えない父を、家族として愛しながらもどこかで嫌悪し、自分が社会で生き抜く方法を模索していパキスタン系2世の青年を好演し、
サッチャー政権下の南ロンドンを舞台にした息苦しさが立ち込めていた。
メソッド演技をするダニエル・デイ=ルイスの評価って?
女優ならさしずめ演技派メリル・ストリープだろうが、
彼こそアカデミー賞候補常連であり、一作一作に全身全霊を注ぐ彼の演技は高く評価され、
ルイスはアカデミー主演男優賞3度
受賞作
「マイレフトフット」(1989)
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(2007)
「リンカーン」(2012)
(2025年時点では男優最多)も受賞しているのだ。
プロフィール&キャリア
Sir Daniel Michael Blake Day-Lewis 英国ロンドン生まれ、グリニッジ育ち 1957.4.29生誕 現在68歳 ,身長187cm
もじゃもじゃした濃い眉に憂いのある奥釣り目、それに馬ヅラの輪郭と坊主頭は印象的。
彼にも不遇の時代は確かにあった。
少年時代は相当のワルだったらしいし、
十代では寄宿学校になじめずにいたが、祖父の勧めでオールド・ヴィク演劇学校に通い、英国全土を巡業しながら経験を積み重ねて腕を磨いていた時代があったという。
1971年公開の「日曜日は別れの時」で映画デビュー(名前のクレジットなし)。
80年代になると演技の才能が徐々に開花し、
「マイ・ビューティフル・ランドレット」←サイケ調の若者を演ずるところから彼のキャリアーは始まった。
それと「眺めのいい部屋」(1985)での貴賓あふれるインテリ貴族役でNY批評家協会賞助演男優賞を同時受賞している。ルイス 28歳
ダニエル・デイ=ルイスの引退と、息子の監督デビュー作で復帰!
徹底した役作りを行うことでも知られており、出演作品を選ぶことでも知られている。しかしそれは、”消耗”をも意味している。
6年近く俳優業を休業して、靴屋になるためにイタリアで修行していたが、マーティン・スコセッシ氏がフィレンツェまで訪れ説得し、2002年公開の『ギャング・オブ・ニューヨーク』で俳優復帰を果たした。
「リンカーン」主演後休業宣言があり、2017年の「ファントム・スレット」を最後に引退すると報じられていた。
しかし、2024年10月、息子であるローナン・デイ=ルイスの映画監督デビュー作品「Anemone(原題)」で俳優復帰の発表があり、映画業界ファンからの喜びの声が多数届いた。
リンカーンを3回出演断って、スピルバーグに脚本を書き直させて、最終的にやる気になったという逸話がある。それほどの”こだわりがある俳優”なんだ。
最新作「Anemone」とは?
ダニエルの最新作『Anemone』は、
父ダニエルと息子ローナンによる共同脚本により、紡ぎ出された家族の物語だという。
ダニエルが演じるのは、隔絶した生活を送る隠遁者レイ・ストーカーなるもの。人物背景には元軍人という過去を抱え、弟との再会を前に断絶と沈黙の中に生きる男のようだ(弟役はかつての”哀戦士”、オジさんになったショーン・ビーンが演じている・笑)
沢山の名監督からその出演を強く請われてオファーが絶えないのだが、その職人気質を貫き通す。「マイ・レフトフット」(1989)の成功以降オファーが途切れたことはないという。
「存在の耐えられない軽さ」(1988)で米国デビューも果たしているが、何とも一筋通った英国人気質といえよう。
・・・”リンカーン”を演じた彼は、
神々しく、
いやはや歴史も背負った”偉人すぎて”、私は重くて最後まで見ていられなかった。これが映画人を唸らせる演技かと、開き直ってみていたものだった(笑)
だけど、彼は役者をやってないときには、木工細工とかやってるんだって。
一本の映画出演の後、自分のアイデンティティを取り戻すのに1、2年かかるんじゃないかな。
でも彼は生きることを楽しんでいたね、全身全霊で演技するということを。

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