「ゴッドファーザー」シリーズは、狂熱に覆われた大河ドラマである。
我々の実生活とは何の関連もないマフィアのファミリーのドラマに何故こうも惹かれるのだろうか?
特に主人公であるゴッドファーザー、ドン・コルレオーネ(マーロンブランド→アルパチーノ)の心情に深く感情移入してしまうのは何故だろうか?
ドン・コルレオーネその人になりきって「ゴッドファーザー」を作り、
その狂熱が我々を巻き込むからだよ。
「ゴッドファーザー」3部作は、ただのギャング映画やアクション映画並みには扱えない。この映画3部作の凄さというのは、マフィアという巨大組織のパワーを分厚い手触りで描き切ったことにある。
さあ、アルパチーノ演じるマイケルを中心としたコルレオーネ家の人々を追いながら、彼らの背後にいる”ファミリー”と、それにつながる人脈をこの映画たちで実感して観ていこうじゃないか。さあ、始まるよ!
1970年、パラマウント映画は記者会見を開く
1600万部売れているベストセラー小説「ゴッドファーザー」の映画化を発表。制作費620万ドルと当時としては巨額であり(ちなみに1作目公開後の興行収入は世界で1億4000万ドルとなっている)、さらに31歳の新税監督フランシス・フォード・コッポラを起用すると発表した。
アルパチーノのキャスティング
「ゴッドファーザー」3部作を通じてマイケル役で主演しているアルパチーノだが、この役は映画「哀しみの街かど」(1971)での好演が認められて、新人だった彼が大抜擢されたものだった。
プロデューサーたちはウォーレン・ベイティやロバート・レッドフォード、ジャック・ニコルソンのような有名俳優をマイケル役にキャスティングすることを望んでいたが、コッポラ監督だけは「カメラに映るのはアルパチーノの顔だけだ」と主張し有名俳優の起用を望んでいたスタジオの重役たちを失望させていた、
という経緯がある。
特に大作ともなれば!
でも、こうした抜擢が”次世代スター”を生み出すんだよね。
この大作では、アルパチーノ決定が決まった後も、そのほかのキャスティングなどで、その決定に反対し続けたようだ。
そんな反対意見を本物にこだわるコッポラ監督の手腕により、映画完成試写会ではねじ伏せたという。この”作品の力”って、スゴイね!
「ゴッドファーザー」普遍のテーマと崩壊
「ゴッドファーザー」は、マフィアの権力争いと家族の絆を描いている作品である。
礼儀正しく穏やかな青年だったマイケル(アルパチーノ)が、物語の進行とともに冷厳な人物へと変わっていく。この静かで恐ろしい変化を、アルパチーノは声のトーンと僅かな仕草の変化だけで表現している。
ファミリーの抗争とは別にドンのもう一方のファミリー、「〜Ⅲ」に向けて家族の崩壊が悲痛に描かれる。妻とは別れ、息子は父の意思に反し自分の道を行き、娘は許されぬ恋に落ちいる。
自分の組織であるファミリーを反映させようと努力すればするほど、自分の家族であるファミリーが壊れていく。
と、観客はそこに引き込まれてゆくのだ。
アルパチーノ演じるドン・コルレオーネが愛する娘の死に号泣するシーン。
感情を表に出すことがなかった男が初めて人間として、”父親”としての顔を見せたこのラストシーンは悲哀に満ちて、なんと美しいことか!
この作品の共演者たちは?
この映画「〜Ⅲ」で、後継者候補役アンディ・ガルシアの演技が冴えるのも、そばにアルパチーノがいればこそだった。それだけの彼の存在感は間違いない。
”同世代のライバル”と比較されがちな同じくイタリア系俳優
ロバート・デニーロは、「〜Ⅱ」での一緒のシーンはなかったものの、「ヒート」(1995)など、何回か共演経験があるアルパチーノのことを、
「ライバルというより兄弟のようなもの。一緒に成長しました」
と笑いながら説明していた。
案外この”オジサン二人”って仲良しみたい(笑)
「ゴッドファーザー」は映画史に残る名作に
(コルレオーネ:中世以来の古い歴史を持つ都市。20世紀初頭以降著名なマフィアを輩出した土地として知られる、イタリア・シチリア島の実在の地名)
物語の中心は、マイケルが家族のビジネスを嫌っていたクリーンなアメリカ兵から、本当にドンの息子になるまでどう変わっていくかだった。
シチリアに行くことで、彼は自分のルーツと繋がり、シチリアの女性と恋に落ち、ファミリーへの忠誠心について厳しくも貴重な教訓を学んでいたんだ。

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