年収83億円を稼ぎ(2019年)、フォーブス誌 ”最も稼いだ俳優”で2位となっている俳優クリスヘムズワース。
「世界で最もハンサムな顔100人」の2024年版では、 1位である。(米TC Candler 調べ)
2014年米大衆誌ピープルが毎年選出している”最もセクシーな男性”に選ばれる。これについてのクリスのコメントは、
「超ウケる!おかげで数週間近所で自慢できるよ」 っと、お茶目〜。
そして、「出演作がヒットしているスタートップ10」(米データベースサイト、ザ・サンバース調べ)の最新情報においては、第7位にランクインしている↓
1位 スカーレット・ヨハンソン
2位 サミュエル・Lジャクソン
3位 ロバートダウニーJr.
4位 ゾーイ・サルダナ
5位 クリス・プラット
6位 トム・クルーズ
7位 クリス・ヘルムズワース
8位 ヴィン・ディーゼル
9位 ドウェイ・ジョンソン
10位 クリス・エヴァンス
↑このランキングは米国の興行成績に基づいている情報なので、ピンとこない御名前もランク内に上がっている気がするけど・・・
さらには、41歳で2781人目のハリウッド殿堂入りを果たしている。
若くして、こんな凄い業績を叩き出している”クリス・ヘムズワース”という俳優の
大人気キャラ”マイティ・ソー”役にたどり着くまでの足跡を追ってみる。
プロフィール
Chris Hemsworth オーストラリア メルボルン 1983.8.11生誕 42歳
社会カウンセラーの父親と英語教師の母親のもとに、3人兄弟の次男として生まれた。
閑静なオーストラリアの田舎で、テレビさえ無い環境で育つ。
俳優だけでなく人としても優れ、長年苦しんできた両親の多額の借金を全額返済し、
35歳の時のオーストラリアでの大規模森林火災では母国に1億円の寄付をしている。
子供の頃の激しい兄弟ケンカと「ヘムズワース恐怖の家」
クリスヘムズワースの家は、「ヘムズワース恐怖の家」と呼ばれていた。朝早く茂みの中に消えては、パンツ一丁で野良犬のように4本足で歩き回っていたというのだ。
・・・まあ、たしかにナチュラルを重んずる家庭に育っているようだが(笑)
「弟が兄にナイフを投げた」というクリスの家族に対するとんでもない噂が出回っていた。しかしそれは、事実と言えるものだった。特にクリスは弟のリアムと激しいケンカが多く、ある日怒りに耐えられなかった弟がクリスにナイフを投げたものが、おでこに当たったというのである。それは、警告するレベルでわざと持ち手の柄の方を投げたというのだが、クリスはこれに対して「まるで私たちの幼少時代は互いに殺し合いをしなければならない映画『ハンガーゲーム』(2012)のようなものだった」と回想している。
結局彼らは、母親がケンカを止める際に指が折れるということがあってから、この時の衝撃でケンカを辞めることになったそう。
ちなみに現在ではとても仲が良いらしい。
マイティーソーに出演する前は、弟リアムと同居していて同じベッドで寝ることもあったという。
母国オーストラリアでの俳優歴
今や年収83億円を受け取るクリスにも、俳優になるまでの下積み時代があった。
初めてバイトしたのは14歳の時、産後使用する母乳を絞るための搾乳機洗浄をしていた。その後もウェイターやサーフショップの店員など、いくつかのバイトを経験した。
クリスが俳優を夢見るようになったきっかけは、兄ルーク・ヘムズワースの影響からだった。兄ルークは早くから俳優生活を送っていた。その兄の姿を見て、オーストラリアで俳優を志すように・・・。弟リアムも兄たちにならって俳優業を始めた。
そんななか、兄ルーク、弟リアムが俳優としてレギュラー番組を獲得していき、クリスは一番出番が少なかった。
19歳でテレビシリーズ「グィネグィア・ジョーンズ」に出演したが知名度は低く、建設業やバーテンダー等のバイトで食いつなぐ日々だった。
クリスが売れるきっかけとなったのは、2004年シドニーが舞台のソープオペラ「ホーム・アンド・アウェイ」のオーディションに合格し、レギュラー出演が決まったことだった。このソープオペラ「ホーム・アンド・アウェイ」は、なんと35年続いている超長寿番組で、この時彼は21歳で、”キム・ハイド役”を3年間、2007年まで好演したのだった。
この役によりクリスは翌年、オーストラリア業界最高峰ロギー賞新人賞を獲得している。
ハリウッド進出 デビュー作「スタートレック」出演
クリス・ヘムズワースのハリウッドデビュー作となったのは、「スター・トレック」である。米国では「スターウォーズ」と共に”SF界の2大山脈”と呼ばれているが、「スター・トレック」は、現代の感性でリブートされたものと言われている。
この「スタートレック」は、推定興行収入3588億円、アカデミー4部門にノミネートし、メイクアップ賞を獲得している。
ハリウッドデビューとなったこの作品で主人公の父親役を演じ、5分足らずの短時間のみ顔を映したのだったが、映画のイントロでは最も重要な役割を果たし、強い印象を残したのであった。短時間の出演ながらもインパクトを残せたように思えたクリスであったのだが、このスタートレック出演以降もオーディションを受け続けることになる。
この時、クリスヘムズワース 25歳。
オーストラリアに帰ろうか・・・ホラー映画「キャビン」に出演
スタートレック出演以降もオーディションを受け続けたクリス。
ウルヴァリオンX-MEN・ZEROのガンビット役や、G.Iジョーなどたくさんのオーディションを受けたのだが、どれも受からず、ついにはオーストラリアへ帰ろうか・・・とまで思い始めていた。
仕事が決まらずお金が尽きてきたクリスは、最後の挑戦になるかもしれないと、ひとつのオーディションに参加したのだった。
それが、「キャビン」というホラー映画だったのだ。クリスはこの映画で、恐怖に見舞われる大学生の役を演じた。この作品への出演によって、自分が俳優をやりたいという理由より、「人のためにやるんだ」と思うことで力を発揮することができた、と後にクリスが語っている。
再挑戦で「ソー役」獲得!
ソー役には、身長190cm、体重90kg以上 の条件が始めから付けられていた。
「よしっ、これは俺にピッタリな役だ」と意気揚々にオーディションを受けたクリスの元には、連絡が・・・一切来なかった。〜 そうなのだぁ、クリスはすぐに選考に落ちたのだった。
クリスが落ちた後もオーディションはどんどん進み、ソー役の候補は5人に絞られた。その一人がリアム・ヘムズワース、クリスの実の弟だったのだ。そして弟が主役を勝ち取る・・・というところで、「やっぱりソーにしては年齢が若すぎるよね」という理由で落選。再びオーディションが開催され、そこに呼ばれたクリスは弟に負けた悔しさを演技でぶつけつつ、こっそり弟にオーディションのアドバイスをもらって再挑戦したのだった。
そしてまさかの兄弟ケンカのようなバトルとなって、クリスは見事、ソー役を獲得したのであった。
この「マイティ・ソー」で演じた豪快なソー役をきっかけに、クリスヘムズワースの人気は爆発したのであった。
今は誰もが知っている人気キャラクターになったが、当時は”マーベルコミックの中での「ソー」”であり、知る人のみぞ知っているマイナーなキャラクターであったそうな。
むしろX-MENの「ガンビット」の方が比較にならないほど人気面でリードしていたのであった。
そして、マーベルスタジオでは「ソー」の映画化が確定し、認知度の高いスーパースターではなく、人々が新鮮に感じられる新しい顔を探していたのだった。
そのため条件としては、”これまでスーパーヒーローを一度も演じたことがない俳優”のみにオーディション資格があったということである。
クリスは、この事実を知ってからというもの、もし「ガンビット」に合格していたら、「ソー」の役には付けなかったであろうことを思い知り、格言にある「人間塞翁が馬」を実感したのだった。
この「ソー」役のオーディションの競争率は凄いものだったらしい。
クリスの3人兄弟と共に先を争ってオーディションに参加し、後日「ロキ」として大活躍するトム・ヒドルストンも、元々は「ソー」役でオーディションを受けているのだ。
トム・ヒドルストンはこの役のために生まれつき痩せていた体質だったにも関わらず、筋肉を10kg増やしてオーディションに参加したのだったが、最終審査で落とされ、大きなショックを受けた。
彼は「いったい誰がソー役にキャスティングされたのか?」という疑問を抱いていたのだったが、クリスを初めて見た瞬間、なぜか北欧の神が座っているのを見て、すぐに納得したんだとか。
クリスがこのように北欧神のビジュアルを備えているのは、優越な遺伝子のおかげもある程度はあるだろうが、卓越した努力も一役買っていたのは間違いないことなのだ。
というのも、20代の頃クリスは高身長であったものの筋肉質とは程遠い体型であった。一部のマーベルファンからは、キャスティンングのニュースを聞いて「ソーを演じるには、あまりにも体格が小さい」と一部不満の声があったことを聞き漏らさないでいたようだ。
このような反応に激しく反発するように、クリスは狂ったようにバルクアップして初撮影に現れたというエピソードがあるのだ。
2011年、マーベル映画「マーティ・ソー」公開
大波乱のオーディションを勝ち抜いて「ソー」役を獲得したクリスを主演に置き、ついに2011年、映画「マーティ・ソー」は公開されたのであった。
ストーリー展開については好き嫌いが分かれたが、ソーとロキのキャスティング、および華麗でSF的な風景を描いた映像美だけは好評であった。
その年のアカデミー視覚効果賞の候補に上がるほどだった。
・・・何の色にも染まっていない新しい顔、新しい風を吹かせる俳優の登場を、
業界が、観客が、望んでいるのだとつくづく思う。
チャンスを待つもの、落ち続けて進路変更を迫られる者の悲哀がそこにはある。
コメント