ウィリアムカット

William Theodore Katt, 米国・カリフォルニア州ロサンゼルス 1951.2.16生誕

主な出演作:キャリー(1976)
ビッグ・ウェンズデー(1978)
新・明日に向かって撃て!(1979)
ザ・グレーテスト・アメリカンヒーロー(1981-86)テレビシリーズ

何といっても彼のキャリアのスタートは、ホラー映画の名作『キャリー』において、呪われたプロムで主人公キャリー・ホワイトの相手役を務めたトミー・ロスを演じたことだろう。

スクール・カーストについての物語である。キャリー(シシー・スペイセク)をいじめた罪滅ぼしとして、スー(エイミー・アーヴィング)は恋人であるトミー(カット)に、キャリーをプロムパーティーに呼び出すように頼む。図書館でトミーの誘いを受けたキャリーは、当初からかわれたと思い込み逃げ去るが、トミーはめげずにキャリーの家まで訪ね、彼女をパーティーに誘う。そして怯えながらもキャリーは遂にトミーの誘いを受ける。
プロムパーティー当日。母親の反対を押し切り、自作のドレスでやってきたキャリー。喜びと不安の気持ちが入り混じる彼女を、トミーは優しく励ます。自分に自信を持ったキャリーとトミーは、パーティーのベストカップルに選ばれた。今までに無い幸せを感じながら、ゆっくりとステージ上に上る二人。この栄光の瞬間に何と無惨な仕打ち。天井に吊るされたバケツから大量の血がキャリーに降り注がれたうえにトミーの頭上にバケツが落下、トミーは舞台上で失神する。このハプニングに、その場に居た生徒たちだけではなく信頼していた先生からも嘲笑されたと思ったキャリーは、悲しみと怒りの極限となり、秘めていた超能力を解放し、これまでいじめていたクラスメイト達を含むプロムの参加者の大多数を会場に閉じ込め虐殺、破壊と恐怖をもたらしたのだった。・・・ジョン・トラボルタも出演していたこの作品。初めは素朴さをもった少女が、プロムではとてもチャーミングになり、内面から外面に開花していく様が美しく描かれていた。ヒロインの傍にいて彼女自身の魅力に目覚めさせる、カット演ずるプロムのプリンスも”意外といい奴じゃん”と思わされた.

『ビッグ・ウェンズデー』(Big Wednesday)は、ジャン・マイケル・ビンセント主演の1978年に制作された、サーフィンを通して三人の若者を描いた青春映画である。カットは、この主役3人の中で生真面目なジャックを演じた。この若者たちで作るサーフィングループは、水曜日にやって来るという世界最大の波“ビッグ・ウェンズデー”に挑戦することを夢見ていた。毎晩パーティを繰り広げ痛飲しケンカに明け暮れる。カリフォルニア・サーフカルチャーの初期の頃を描いている。
1965年 秋、そんな無軌道な青春を謳歌していた彼らにも、ベトナム戦争の徴兵令状がきていた。グループの大半が手練手管を駆使して懲兵を免れようとした中で、優等生だったジャック(カット)は志願して懲兵検査を受けて、ベトナムへと出征していった。・・・残念なことに、サーファーをテーマにした映画は、サーフィン愛好家以外の多くの人々を劇場に引き寄せることは当時できなかった。
この映画こそ、サーフィン以上に非常に独創的なメッセージが込められており、生きることと変化するマインドプロセスについての普遍的な気づきが得られる傑作に違いなかった。カットは時代に翻弄されながらも、自身のアイデンティティーも仲間も見失わない、この時代の”ロールモデル的な存在”を演じきっていたのだ。

”UFO時代のときめき飛行 アメリカンヒーロー”というキャッチフレーズ!
カットは、1981年のTVシリーズ『アメリカン・ヒーロー』で、スーパーパワーを秘めたスーツを異星人から与えられた温厚な教師ラルフ・ヒンクリーという、自身の代表作とも言える役を得て、1983年に番組が打ち切りになるまで演じきっている。ストーリーは、冴えない高校教師ラルフ(カット)がある日、たまたま居合わせたFBI捜査官ビルと共にUFOに遭遇。異星人から地球を救うスーパースーツを授けられるが、その取扱説明書を失くしてしまい、手探りでヒーロー活動する羽目になるというもの。お決まりのギャグもいくつかあり、清潔感もあり、子供でも見やすい作品といえよう。コメディものとしては展開が面白く、それでいて人間味のある金髪くるくる頭の主人公「教師」ラルフの苦悩!?の演技が実にキュート。この作品では、ロバートカルプ演ずるベテラン落ちこぼれFBI捜査官でラルフの相棒が、ラルフの特殊能力を捜査に活かそうとするなど、彼の辛口なユーモアと皮肉がストーリー全体に微妙なスパイスを掛けている。

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