Paul Leonard Newman 米国オハイオ州出身 1925.1.26生誕~2008.9.26死去
主な出演作:銀の盃(1954)
熱いトタン屋根の猫(1958)
ハスラー(1961)
明日に向かって撃て(1969)
スティング(1973)
タワーリングインフェルノ(1974)
評決(1982)
ハスラー2(1986)
ノーバディズフール(1994)
高校卒業後は定職に就かず百科事典の訪問販売などで生計を立てていた。その後、家業を継ぐためにアセンズのオハイオ大学経済学部で学ぶが、第二次世界大戦が勃発し海軍に入隊したのだった。終戦後にオハイオ大学を経て進学したケニオン大学ではフットボールに打ち込んだものの、チーム内の喧嘩が原因で除名処分を受けた。父親が他界すると一旦家業であるスポーツ用品店を継いだが、演劇講師になるための学費を工面するため、父の代から続いた店を売却している。この時より子供の頃より学んだ演劇の道を、本格的に志したのだ。
青く美しい瞳をしたハンサムなルックスと品のあるたたずまいを持つニューマンだが、そんなスマートなイメージと裏腹に、実は俳優としてのスタート時期は相当苦労している。
キャリア初期において、ジェームズ・ディーン(『エデンの東』)やマーロン・ブランド(『波止場』)といった同世代組が順調なキャリアを送るのに対し、彼はオーディションに落ち続け、一時はテレビに活動の場を移すなど不遇の時代を過ごしているのだ。
前作『ハスラー』より25年越しの続編『ハスラー2』(86)では、賭けビリヤードから足を洗っていたものの、かつての自分を思わせる若者ヴィンセント(トム・クルーズ)と師弟関係になっていく様を演じ、ビリヤードへの情熱を取り戻す一方、中年となり老いを実感するエディを感情豊かに表現した。ウォルター・テビスの同名小説を原作に、「タクシードライバー」のマーティン・スコセッシが監督している。・・私はこの作品を、共演のトムクルーズ目当てに劇場で見ている。前作『評決』も劇場で見たが、「あの演技でもオスカーは獲れなかったとは、かなり不運な俳優さんだなあ」とニューマンのことを思いながら、”トムクルーズ効果”もあって今度こそ獲れるでしょう、と思いながら見ていた。実際、アカデミー賞7度目のノミネートにして、この作品でニューマンは最優秀主演男優賞を受賞したのだった。
この作品では冒頭、”素人ヅラした”太った黒人のハスラー(フォレスト・ウィテカー)にまんまと騙され金を巻き上げられたりする、カッコ悪い”痛い中年”の演技もこなし、「俺はまだまだ現役だ!」と隆起した下半身を女性に押し当てたりと、ヒーロー像とは別の人間味あふれる部分も演じていた。こんな泥くささのなかにもカリスマを感じさせる姿が出せる俳優さんって、この映画界の宝なのだ。もともとの人柄からか、チャーミングな表情と知的センス、甘さ、型破りなものなどニューマンのパーソナリティーに持つものは計り知れない。
また、ロバート・レッドフォードとの二度の共演作『明日に向かって撃て』と『スティング』は共に傑作だが、スティーブマックイーンと共演した、高さ世界一の超高層ビルの竣工パーティーで発生した火災の恐怖をリアルに描くパニックムービーの傑作『タワーリングインフェルノ』(74)での演技合戦も忘れられない。”パニック映画ブーム(1970年代中盤期)”の中でも最高傑作と評されているこの作品で、現場となるグラスタワーを設計した超一流建築士をニューマンが、危険な任務に幾つも携わる消防隊長をマックィーンが演じている。
私生活では。1956年に最初の妻と離婚。1958年、舞台『ピクニック』で知り合った女優ジョアン・ウッドワードと映画『長く熱い夜』での再共演を機に再婚して、3人の娘をもうける鴛鴦(おしどり)夫婦となる。
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