Zac Efron(本名:ザカリー・デイヴィッド・アレクサンダー・エフロン、Zachary David Alexander Efron)米国・カリフォルニア州サンルイスオビスポ出身 1987.10.18生誕
主な出演作:11歳から子役として活動。
テレビ映画『ミラクル・ラン』(2004)
ディズニーチャンネル・オリジナルムービーとして初上映された
テレビ映画『ハイスクールミュージカル』(2006)
きみがくれた未来(2010)
ベイウォッチ(2017)
グレイテストショーマン(2017)
アイアンクロー(2023)
・・・18年前にティーンエイジャーの心を摑むミュージカル・ブームに乗った彼は今、ハリウッドきっての人格者のひとりとして知られている。このザック・エフロンのパーソナリティー称賛に値する点のひとつは、若いうちからスターダムの頂点へ駆け上ったことなのである。一般人とは、有名人のプライベートの詳細まで知りたがり、彼らの浮き沈みすら気にかけるという傾向がある。そうした思惑の浮き沈みの中でエフロンが11歳の子役の頃からショービズの世界を歩き始めてきているというのに、彼がまったくの賢く思慮分別を身につけてきたというのは驚きでもある。まだ10代だったエフロンは、社会現象となったミュージカル映画『ハイスクール・ミュージカル』(2006年)で、一躍注目の的となったのだが、それ以来、若きスターとしてマスコミや熱狂的なファンから視線を浴び、かつてないほどにさまざまな危険にさらされることになったであろうに、だ。
彼はこれまでのキャリアで、コミカルな役とロマンチックな役、ドラマチックな役を、華麗に行き来してこなしてきていた。
エフロンが主演した映画『アイアンクロー』(日本では2024年4月5日公開)では、彼がプロレスラーの役作りのために、肉体的にも精神的にも極限まで自分を追い込んだことが知られている。80年代に実在したプロレスラー一家、フォン・エリック・ファミリーを追ったこの作品で、エフロンは次男(長男ジャック・ジュニアは幼少期に事故死しているため、プロレスラーのフォン・エリック兄弟としては長男)にあたる、ケビン・フォン・エリックを演じた。
プロレス好きの私も劇場公開前から、ストーリーは把握していたもののミュージカルスター・エフロンが果たしてこの長男役をどうさばいているのかワクワクしていたものだ。
スタジオA24製作のこの作品でザック・エフロンが演じるのは、温かいハートの持ち主で弟たちをまとめるケビンであった。完璧な肉体改造を披露する一方で、繊細な内面を見事に表現しており、キャリア史上最高の演技との呼び声も高い。
実際のところ、溢れる兄弟愛と弟たちの優れたタレント性への嫉妬との板挟みにあいながら、その心理的な葛藤を控えめな演技で表現するのは、かなり難しいことに違いない。ましてやこれまでのキャリアでの、エンタメ性全開なミュージカルでのパフォーマンスとの振れ幅といえば、ハンパないものであったと想像される。
フォン・エリック一家は父フリッツの指導のもと“史上最強”を目指して栄光を摑んでいくが、やがて信じがたい悲劇に見舞われていくのである。『アイアンクロー』という題名は、フリッツが生み出し息子たちに継承された必殺技(両手で相手の頭を鷲摑みにする)に由来するが、息子たちに対して持つ圧倒的な”支配力のメタファー”としても君臨していた。
映画のストーリーとしては息子たちが中心となるが、フリッツの父親としての責任や、息子たちを押さえつけたり支配したりすることの意味を問う作品であった。フォン・エリック兄弟は、父親から認められたいがゆえ、どんなに厳しくされ、非情な価値観を植えつけられても、父親を信じ愛するのである。エフロンはこう語る。
「フォン・エリック兄弟の物語の見どころは、プロレスの頂点への栄光の道のりなんだよ。テキサスにいたらカメラにも映らないような時代に、彼らはトップレスラーとして”ひとつの王朝”を築き上げたんだ。初めのうちはアウトサイダーだった彼らが道を切り拓いていくことができたのは、非情でありながらも彼らにとって優れたコーチだった父親の存在があったからなんだ。今の時代だったら到底ありえない関係だろうね。父親の夢と希望を叶えるために、兄弟全員が恐ろしいほど支配されていたんだよ。」
最近では、Netflixで配信される『A Family Affair』に出演し、ニコール・キッドマンとジョーイ・キングとの共演を果たしているのだが、同作のLAプレミアでThe Hollywood Reporterからいつミュージカル作品に戻って来るのか?と聞かれると「時間の問題だと思います。またぜひミュージカル作品をやりたいからです」と明かし、将来再びミュージカル作品に出演する可能性があることを示唆したのだった。
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