リチャード・ギア サスペンス「アメリカン・ジゴロ」

Richard Gere 米国・フィラデルフィア アイルランド系 1949.8.31生誕

主な出演作:ミスターグッドバーを探して(1977)
      天国の日々(1978)
      愛と青春の旅立ち(1982)
      プリティーウーマン(1990)
      真実の行方(1996)
      Shall We Dance?(2004)

 若い肉体と洗練されたマナーを武器に上流階級の女たちを相手にする“ジゴロ”。そのジゴロを職業とする青年の華やかさの裏にひそむ、満たされない心を、この映画では描いている。
 当時(1980年)としては、確かにかなりスキャンダラスな作品だった。特に、息を呑むほど美しく上品なリチャード・ギアとローレン・ハットンの存在感と演技は、この上なく刺激的である。まさに1980年代の栄光。スタイル、音楽、舞台設定、そして全体の雰囲気がゴージャスそのものであった。この映画は非常に優れており、セッ◯スの裏社会には、あらゆる社会階級の多くの人々と多くのオカルトが関わっていることが示されている。『アメリカン・ジゴロ』は、1980年代初頭の時代を完璧に再現した作品で、車・服装・眼鏡、そして人々の態度、それらは完璧なビジュアルとして”主人公を「物」として描いた最初の映画”として広く知られていくのであった。そして、ジュリアン・ケイを演じるために生まれてきたかのような優雅でゴージャスな雰囲気のリチャード・ギア。この作品を観るにつけ、まさに適材適所のキャスティング!
 ジュリアン・ケイ(リチャード・ギア)がカリフォルニアの上流階級の世界で、裕福で退屈な年上の女性たちを相手に優雅に振る舞う姿を見ていると、1979年から1980年にかけてのアメリカの縮図を目の当たりにすることになる。ストーリーとしては、裕福な女性たちを相手に稼ぎまくっているジゴロが、罠に嵌められて殺人事件の容疑者にされるさまを描いている。
「アメリカン・ジゴロ」のプロデューサーが、実はジョン・トラボルタを「コールボーイ」ジュリアン役に想定していたのであった。この役が、トラボルタに転んでいたら・・・。しかし彼は断り、代わりにリチャード・ギアが起用されることになったのであった。
 後にこのようなことが何度か起こり、ジョン・トラボルタがやりたがらなかった役柄こそ、リチャード・ギアをスターダムへ押し上げた”キャスティングの妙”が、後に多く語られることになるのだ。

 Rotten Tomatoesによれば、この作品に対する33件の評論のうち高評価は73%にあたる24件で、平均点は10点満点中6.8点、批評家の一致した見解は「ポール・シュレイダー監督の冷静な演出とリチャード・ギアの控えめな演技はそれほど情熱を呼び起こすものではないが、『アメリカン・ジゴロ』はスタイリッシュな人物描写としては成功している。」となっている。

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